「仮想」ではない幸福感
インワールド、仮想世界の中ではあるが、彼女(美夕さんの意識)は今、確実に自分と居てくれている。
今、とても大きな幸福感を味わっている。
この幸福感は「仮想」ではなく、間違いなく現実のものだ。
この幸福をバカ(美夕さんふうに言うと「ポンコツ」)なオレはもう少しで失ってしまうところだった。
等身大の自分でインワールドに存在しようとする彼女は、自分のアバターをとても大切にする。
だから、離席で放置する間、こうしてアバターを託してくれるだけでもオレは至福を感じる。
「なんだ、放置だったら、意識はそこに無いじゃないか」と笑われるかもしれない。
うまく説明できないが、彼女の意識はここにある、留め置かれているという表現が良いかもしれない。
それがいつなのかはわからないが、「妊活に入る時SLから消える」と決めている彼女がここに存在する限り、自分はこうして彼女の隣に居続けたい。